放課後の美術室に先輩と二人きり。背中に体温を感じながら漫画を読む。漫画のワンシーンにキスシーンを見つける。「そんなに良いのかな、これ。先輩はしたことあるのかな。」ぎこちなく先輩に尋ねる。律儀に筆を止めてくれる先輩。絵を描くのを邪魔したから少し不満そうな声。「キスってしたことありますか?」返事は…「無い。」そして続けて「先輩、キスしてみませんか?私と。」と勢いで言ってしまった。顔を赤らめてこちらを見つめる先輩。ゆっくりと顔を近づけて優しくキスをする。初めてのキスは先輩の味がした。人生で一番長い数秒間だった―。


タイトル:「先輩」と「私」
作者:桜ゆう

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